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村山由佳を愛するブログ。
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GEOGIA エンブレムカフェオレ

GEOGIA エンブレムカフェオレ
130円(税込)
※セブン価格

「砂糖不使用」で「甘くない」カフェオレ。
ということで、コーヒーの味わいを前面に押し出したカフェオレ。

砂糖なしとはいえ、ミルクの甘さがあるから苦いってことはない。
ただ、普段飲んでいる”普通の”カフェオレに比べるとコーヒーの香りが強くてミルクがほんのりコクがあって甘いのがダメな人にはいい!ミルクが入っているだけで体からあったまる感じがして改めてカフェオレの魅力に気づかされることでしょう。

ちなみに「エンブレムカフェオレ」は【セブン・イレブン限定】です!
コンビニ状況によっては、まだ出会ってない方もいるのではないでしょうか?!
まだ、味わっていないコーヒーはブラック派な方には、ぜひ飲んでみていただきたい一品です。

★GEOGIA エンブレムカフェオレ
http://www.georgia.jp/info/product/emblem_cafeaulait.html
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プレミアムホットカフェオレ

プレミアムホットカフェオレ
294円(税込)
※おかわり自由!

一番お世話になっているカフェオレです。
お値段的にもお手頃だし、おかわりも自由!

牛乳の甘みがやや弱いから、結構杯数はいけるのです!
まぁ、ドーナツがあるから結構お腹にたまるのですが、、、

マロンクリーム

クリスマス企画のドーナツ
マロンクリーム
189円(税込)

クリスマス企画で飾られたドーナツです。
お値段が張るが、この時期ならではのドーナツなのでぜひ!
ドーナツ生地が抹茶になってて香りもよし。マロンのクリームは濃厚なので抹茶の程良い苦みにカフェオレが合う合う。
ただ、食べづらいのが難点。。手も汚れるしねww


★ミスタードーナツオフィシャルサイト

http://www.misterdonut.jp/

☆RSS
http://www.misterdonut.jp/misdo_rss.xml

昨日、特別な夢を見た。

しかし、ほとんどその内容を覚えていないのだ。
それなのに頭の端に残る夢の切れ端が揺れ動くたびに、僕の鼓動と同期して心地よい振動を刻んでくる。「おまえはまだ知らなくてもいい、でもお前のための物語なんだ」言わんばかりに。
それが、心地よい半面、見えない苦痛に覆われ、嫉妬にも似たいら立ちになっていた。嫌なものだ。隠されているわけでもなく、隠しているわけでもないのに誰かに試されている気分になる。
そんないら立ちを取り払えないままに、今日が終わろうとしている。


僕はいま新宿にいる。
いま付き合っている彩夏(さやか)と待ち合わせをしたのだ。待ち合わせの10時まではまだ10分ほどある。お互いに時間にルーズではないが、時間前に着くのはいつも通りの僕の方が先だ。これは、僕が彼女にできるもっとも簡単な愛情の現れだと思う。
しかし本当は人を待たせてる時の何ともいえない気まずさが耐えられないというのが、発端にあるのだが。

今夜は彼女から夕飯に行こうとメールがきた。
特に記念日であるわけではない、強いていえば、ボジョレー・ヌーボの解禁日であるくらいだ。それと僕が特別で”あろう”夢をみたという以外は。
そんなときだった、時間より少し早く彼女は姿を現した。いつものように少し小走りだったのをみて、何故かホッとした。これは僕だけの彼女を見分ける大切なポイントでもあった。

「ごめん、待った?!」
これはいつものセリフだ。回を重ねる度に口癖になっているのか。目線は足元の水たまりに目がいっていた。
「さっき来たところ。」
これもいつもいうセリフだ。一応、本心でいっていると思うが、彼女はどう思っているかは気にあるところ。
「急に呼び出して、ごめん。ちょっと飲みたい気分になって。」
「何かあったの?!」
笑顔が似合う分、悩む姿が似合わない彼女の顔に苦笑いの笑窪が浮かんだ。
「ぅ~ん、食べながら話すっ。」
「そっか、じゃ何食べるか」
「もつ鍋がいい!」
今夜の冷え具合からも大賛成だった。
僕らは雨の止んだ新宿の夜を飲み屋があるいつもの方角へと向かった。まだ週半ばだというのに酔いつぶれたサラリーマンが道を横断し、ずうずうしい位に話かけてくる呼び込みが進行方向を妨害している。
そんな中でも彼女はシッカリと目を光らせていた。目的のもつ鍋屋を見つけると引き寄せられるかのように歩み寄っていた。僕はそれを追うように彼女の後ろを歩いくだけだった。

店に入ると中は個室で区切られていてなかなか居心地のよい空間だった。よいものを見つけると気分がいいものだ。彼女も一緒でコートとジャケットを脱ぐと気持ちがいいくらいに背伸びをしていた。

「ふぅ、最初はビールでいい?」
「うん、あとから揚げも!」
「相変わらず好きだね~~。」
からかうような口調であしらうが、彼女もかなり好きなのを僕は知っている。次々に頼まれていく注文を耳で追いながら店員が復唱するのを待っていた。

一通り頼み店員が去った後、僕は彼女の髪が伸びたのを気にしながら彼女にとっての今日の特別を聞いてみた。

「今日何かあったの?」
「うん、それがね。…。」
「変な夢を見たの。それがね。覚えているのが最後の方だけなんだ。」
ドキッとした。別にそれが特別なわけではない。誰だって夢は見るし、起きたら忘れる。ただ、それだけで人を呼び出したりはしないだろうけど。

「その最後の方でね。あなたがいっていたの。…。」
「『今日から一緒だよね。』って。」
なんだか拍子抜けだった。それは、いつの間にか彩夏の話す夢が、僕の夢の内容であったかのように期待していたからなのだろうか。それにしてもなんで、こんなことくらいで呼び出したのだろうか?当たり前のこととは言わないが、それでも僕らは付き合っているのだからそのくらいの事で呼び出したりはしないだろう。少なからず、今まではなかった。

「ぅん、別に変な夢じゃないよ。ただ、、」
今日はやけに間をあけて話すせいか、身を乗り出すように聞いている自分がいた。

そんなときだ。店員が威勢よく、飲み物と料理を持ってきた。
こうなってしまうと、とりあえず話は後だ。目の前のビールに今日のおつかれを祝い、空腹にねじれたおなかを戻すように箸を手にとった。

頼んだ料理もほとんど揃い、気づくといつものように会社の話や今日の寒さに対する不満、そしてから揚げの歯ごたえに感嘆の声をあげていた。

話題を出し切ったのか。彩夏がため息をつき、一息をいれた。
そういえばと思い、さっきまでの話。そう、特別な夢の話がふいに横切った。

彼女に目を向けるとうつむいていて少し酔ったのかと思ったが、ビールは2杯目だ。これで酔うような僕らではないのは予め断っておく。どうしたのかと思い声をかけると、彩夏は顔を上げさみしげな眼を広げて僕をみてきた。

「ねぇ、私たちどうなるのかな?」
「私たち、一緒にいられるよね?」

その声はひどく弱弱しく、まるで迷子になって声を枯らした子犬のようにも思えた。

「なんでそんなこというんだよ。その夢のせいか?」

何にムキになったのだろう。やさしく『平気だよ。』とか『心配しなくていいよ。』とかもっと言葉はあったと思うのだが。そのときの自分はその言葉を選んでいた。

「そうなんだけど…。」
さっきまでより、少し長い間が入ってきた。
「なんだか、逆に不安になっちゃってさ。このままの二人でいることって一緒にいることとは違う気がして。二人が一緒になることってどういうことなのか分からなくなってさ。」
なぜか言い訳がちな口調だったけど、その言葉の意味は重々分かる。幸せすぎるときほど、足元をすくわれるものだし、不幸なときほど、大きな幸せは訪れるものだ。その大きさは人によるところだけど。
つまりは、今日彩夏がみた夢で一緒になる二人がいたが実際は何も進まないこの状況に不安になって逢いたくなったのだろう。彩夏のことだから、お腹がすいたとかいう理由しか思いつかなかったのだろうが、それが逆にいつもどおりで思いつめた心に気づくことができなかった。

そんな後悔が頭をよぎったままでいたら、話が途切れてしまった。

「平気だよ。確かに毎日忙しくてこうやって逢う時間もあまりないけど、やりたいことを残さないように今は仕事にプライベートに時間が必要なんだから。それに近くにいすぎたらきっと、小さな世界でいきることになるしさ。それより、ある程度距離があってもいつでも支え逢える距離にいるいてくれる安心感の方が大事なことだと思うよ。それにさ、まだ若いんだしさ。」
なんて遠回しな言葉だろう。まるで、一緒になる気がないような発言ではないだろうか。

「ぅん、そうだね。逢いたいときにはいつも逢ってるもんね。」
何よりの温かい言葉だ。慰められたの僕の方のようだった。

その後は何を話したのかよく覚えていない。
当たり障りのないというのが正解なのか、僕らは今日起きた事柄をもう一回振り返った。と思う。

僕らはひと時の二人の時間に終わりを告げ、終電の時間に煽られるように家路にむかった。

「じゃぁね。」
いつもように別れを告げた。だが、その言葉は僕の方が早く発したことが不思議を違和感となり、辺りにひろまった。
「うん、じゃぁね。」
その違和感を消すためのように彼女から返事が返ってくる。今日はこんなことばかりだな。なんだか煮え切らないように僕は山の手線のホームへ向かった。

今日は不思議な日だった。
というか、ひどく疲れた。

朝から日の変わる深夜まで僕は誰かの投げ込んだ箱に振り回された気がする。それにはカギがかかっていて、そのカギは開かずのまま。そこへヒントをくれるかのように表れた彩夏に逆に課題を突き付けられたのだから。

もう、眠りについて明日の朝、また考えることにする。明日になれば、朝日が暗くなった気分を晴らしてくれるだろうから。そうだ、早めにでてあったかいコーヒーを飲んでいこう。
そう心に決めて今日は眠りにつく。

一応、”おやすみ、ワイン解禁らしい。今度いこうね。”とメールを送っておいた。

返事を待たずに、睡魔に襲われたので。ここで。
 

先日、村山由佳さんは再婚したそうです。
ブログでこの事が書かれたときになんだかうれしかった。

芸能人や、タレントなど、隠されたというか、彩られた世界だからこういう風に人間味のある(?)姿をみるとすごく安心するのだ。

そんな幸せいっぱい村山由佳さんの本に大学時代にはまり、人並みに忙しいといえる社会人生活を過ごしながらも新作のWF以外は全部読んできました。別に新しいからっていま読む必要なないという捻くれた考えなのと読む時間があるときに買いたいのでまだ手つかずというのが本当のところ。。

その中でも「おいしいコーヒーシリーズ」はバイブル。
学生時代に感じてた純粋な気持ちと、どこまでも自分に似た性格のショーリがほっておけないのです。

そんな自分の赤裸々な部分を書き綴っていきたいと思いますので、少し立ち止まって読んでみていただけると嬉しいです。

それでは、記事の中でお逢いできることを楽しみにしています。
ワンダ プレミアムカフェオレ

ワンダ プレミアムカフェオレ 炎の香り
120円(税込)
※コンビニ価格

石炭を蒸し焼きにした「コークス」で、豆を芯までじっくりと焙煎した満足コーヒー。

ミルクの香り、味が強くて、口の中がカフェオレ一色で満たされるのです。ちょっと、甘すぎる感もあるがコーヒーの酸味がすっきり感を出してくれます。
ホット、アイスともにおいしいので、ぜひ飲んでみていただきたい!

★ワンダ プレミアムカフェオレ 炎の香り
http://www.asahiinryo.co.jp/wonda/lineup/detail/co.html

アサヒ WONDA(ワンダ) プレミアムカフェオレ 炎の香り 190g缶×30本入
アサヒ WONDA(ワンダ) プレミアムカフェオレ 炎の香り 190g缶×30本入

「僕は、あの人の匂いが好きだった。」

抱き合った時だけ感じる彼女の髪の毛の香り、隣で話している時に感じるオーデコロンの香り、ひどく落ち込んだ時にだけ吸うハッカの香りがするタバコの香り。どれ一つとして、嫌いなものはなかった。そして、何よりどの香りも彼女からしか感じることができなかった。

なのになぜ、こんなことになったのだろう。

今、隣にいるのはそんな心を落ち着かせてくれる彼女の匂いとは程遠い、まるで縄張りを争うかのような香水の香りをただ酔わせた女性だった。出逢って間もないこの女性は、人生に対してひどく落胆的で、彼女とは対照的な性格であった。どこまでも対象的なこの女性に逢う度に僕は彼女の思い出に浸らずにはいられなかった。

彼女の名前は、「村上 麻衣(むらかみ まい)」。
年は同じ年だが、とても大人らしく一緒にいると何故か安心するような不思議な雰囲気をまとっていた。それは、いままで出逢うことのなかった特別な存在であることを僕に教えてくれた。

そんな彼女と出逢ったのは4カ月前だった。

社会人になって二年目の春。
今まで春が始まるのを心待ちにしたことなどない僕は、例年通りに会社と家を行き来する日々を繰り返していた。しかし、僕を除く一般的な人たちは、春には多くの出会いを求め、恋を求め、高鳴る気持ちに心を躍らせていた。そんな世間の波に流されるように僕は会社の友達に誘われ食事会というなの飲み会にいくことになった。とはいえ、単なる人数合わせである。急な参加者の欠席により、4対4という条件を満たすために時間のあり余っている僕へお呼びがかかったのだ。そう、決して行きたがっていたわけではないことをココに明言しておく。


「待ち合わせは18時30分だっけ?!」
さっき聞いた時間を思い出すかのように山本に確認すると、声を発することなく首でうなずいてみせた。辺りは暗くなり、仕事帰りのサラリーマンや、OLが我先にと改札をくぐっていくのを横目に僕らは男4人で歩いていた。

花見の時期も過ぎ、ついうたた寝をしたくなるような日々が続いていたが、夜になるとまだ肌寒く、改札へ向かいすれ違う人たちの中には厚手のジャケットに身をまとった女性がには多く見受けられた。

「どうせ、彼女いないんだろ?!楽しめよ。」

既にヤル気のない僕に友達は、心ない一言をかけてきた。こいつの名前は、山本 孝(やまもと たかし)だ。
今日の男性陣の主催者であり、僕の会社での同期であり、こういった飲み会の大先輩である。特に嫌みなど込めていないのだろうが、山本の放つ言葉には相手を見下したようなニュアンスがよく見受けられる。それ故、会社でも若干の距離を置かれているのだが、その距離を大きな歩幅で簡単に乗り越えてくる度胸は、彼の大きな長所であった。
山本の言葉に苦笑いをして軽くうなずくと、僕は主催でもないのに几帳面にも印刷してきた目的地の地図に目を落とした。地図をみると、だいたいの場所は把握できていた。東京に出たばかりの頃は、地図を見ても入り乱れる網の目に悩まされてばかりだったし、地下鉄のダイヤが刻むリズムが速すぎて地上に向け出しては一息をついたいたのを思い出した。会場の近くに着くと少し時間が早く、コンビニで時間をつぶすことになった。他の連中が思うままに週刊雑誌を手に取り、自分の世界に入り込んでいく中、僕はコンビニの出口で一人携帯ワンセグでスポーツニュースに心を奪われていた。今日はサッカーの日本代表戦があり、そろそろ注目のスターティングメンバーの発表の時間にさしかかっていたのだ。中学のころから始めたサッカーは僕にとって唯一の趣味であった。そんな趣味にふけっていると一人の女性が大きな声をあげて趣味の時間に割り込んできた。イヤホンの隙間から入り込んできた甲高い笑い声は、徐々に近づいてきた。ついさっきまで、国立競技場の上空から東京を見下ろしていたのが、この声が近づく度にココがコンビニ前であることを思い出させた。
現実に帰り、顔をあげるとそこには3人の女性が歩道一杯に広がり歩いてきた。コンビニの前では子供を連れた親子達が歓談にふけっている。今目の前の狭い歩道には、10人近い大人たちと子供の笑い声が入り乱れ自分の道を譲り合っていた。端に立つ僕は、目の前の賑やかな光景と女性たちのめんどくさそうな表情に目を向けていた。一瞬立ち止まったが、結局それぞれが一列になり無難に道を分け合っていた。
彼女たちは僕の前を通り過ぎると、それぞれに携帯を取り出しさっきまでの笑い声をひそめ、私事の世界に入っていった。すると彼女たちの脇にはもう一人の女性が現れた。その女性は、僕の方から影になるように歩いていたらしく。すれ違う時ために一番後ろまでその順位を下げていたのだった。しかし、その表情はわからなかった。彼女はバッグの中に視線を落とし何かを探しているようだった。
最後を歩く彼女は、僕の前を通り過ぎる度に自らの存在感を現す香水をまとった女性たちとは対照的に、最後通り過ぎたとき彼女は僕を呼びよせるかのように、やさしい香りを残して通り過ぎていった。
”なんの香水だろう?”そんな疑問を自分に投げかけているうちにその女性たちは、近づいてきた時と同じように徐々に離れていった。気づくとまた話の続きが始まったらしく、しばらくの間、彼女たちの声に耳をすませながら、その背中を眺めていた。

イヤホンを通して国立からの歓声が高鳴り聞こえてきた。
手に持った画面では先ほどまで、静かにたたずんでいた上空からの映像が切り替わり選手紹介に移っていた。しかし、いま目で追っているのは青いユニフォームを着た選手ではなく緑に彩られたピッチでもなかった。
ちょっと遅れた分歩幅を大きめにとり、彼女たちの後を歩いている彼女を、いまでも思い出すことができる透明感のあるやさしい香りをまとった彼女を、気づくと目でおっていた。彼女の後ろ姿が遠ざかるにつれて薄れていく記憶が、先ほどの疑問を繰り返す度に僕は彼女の後姿とあの香りを結び付けてならなかった。

不意に訪れた、たった一瞬の出来事だった。
いま思うとこれが、初めての出会いだったのだが、僕は彼女の顔をまだ知らなかった。

「僕は、あの人の匂いが好きだった。」

抱き合った時だけ感じる彼女の髪の毛の香り、隣で話している時に感じるオーデコロンの香り、ひどく落ち込んだ時にだけ吸うハッカの香りがするタバコの香り。どれ一つとして、嫌いなものはなかった。そ
して、何よりどの香りも彼女からしか感じることができなかった。

なのになぜ、こんなことになったのだろう。
今、隣にいるのはそんな心を落ち着かせてくれる彼女の匂いとは程遠い、まるで縄張りを争うかのような香水の香りをただ酔わせた女性だった。出逢って間もないこの女性は、人生に対してひどく落胆的で、彼女とは対照的な性格であった。どこまでも対象的なこの女性に逢う度に僕は彼女の思い出に浸らずにはいられなかった。


そんな彼女とは、出逢ったのは4カ月前であった。

社会人になって3年目の春だった。
今まで春が始まるのを心待ちにしたことなどない僕は、例年通りに会社と家を行き来する日々を繰り返していた。しかし、僕を除く一般的な人たちは、春には多くの出会いを求め、恋を求め、高鳴る気持ちに心を躍らせていた。気づけば、そんな世間の波が僕の所まで打ち寄せてきていた。
僕は会社の友達に誘われて、合コンにいくことになった。とはいえ、単なる人数合わせである。急な参加者の欠席により、時間のあり余っている僕へお呼びがかかったのだ。そう、決して行きたがっていたわけではないことをココに明言しておく。

「どうせ、彼女いないんだろ?!楽しめよ。」

恋愛に疎い僕に心ない一言をかけてきた。
こいつの名前は、山本だ。今日の男性陣の主催者であり、僕の会社での同期であり、こういった飲み会の大先輩である。特に嫌みなどこもっていないのだろうが、山本の放つ言葉には相手を見下したようなニュアンスがよく見受けられる。それ故、会社でも若干の距離を置かれているのだが、その距離を大きな歩幅で簡単に乗り越えてくる度胸は、彼の大きな長所であった。
山本の言葉に苦笑いをして軽くうなずくと、僕は主催でもないのに几帳面にも印刷してきた目的地の地図に目を落とした。そのお店は駅から近く、すぐにお店の看板が見えてきた。

駅から程近いこのお店は、飲み屋ともレストランともいえるようなおしゃれな作りになっていた。
お店に入ると3人の女性たちが既に待っていた。時間通りとはいえ、待たせてしまったことをお詫びして席に着くと、山本が店員を呼びよせた。

お店は人で埋まってはいるものの、時間はゆったりと流れていた。ビールを人数分注文をするとすぐに飲み物がきた。乾杯はビールと決めたわけではないが、なぜかビールが似合う気がした。

これもお決まりなのだろうか、すぐに自己紹介が始まった。
向き合うように並んだ女性たちはとても元気がよく、一見女子大生であるかのような陽気さが見えた。それは僕にとって少し戸惑いでもあった。そんな中、一番端でゆっくりと自らの名前を告げた女性がいた。

「村上 麻衣(むらかみ まい)」。

それが彼女の名だった。人の名前を覚えるのが苦手な僕は、他の女性の名前をうる覚えになりながらも彼女だけはしっかりと覚えたことが分かった。

何がそうさせたのだろうか。彼女の声や、仕草、言葉の節々にある威厳のような口調だろうか。わからないままに僕は彼女の方を見た。にこやかな表情がよく似合っていた。
短めにまとめられた髪の毛は、彼女の顔を包み込むように頬に掛かり、大きくみえる目は彼女が見据える先をしっかりと教えてくれた。

彼女の視線を追っていた僕に順番が回ってくるとすっかり上の空になっていた僕は、ただただ名前と、最近ハマっているコーヒーの話をした。

コーヒーには眠気防止や疲労回復だけでなく、様々な抑制効果がありその科学的な根拠からも学者からも多くの期待を受けている。またその味、栽培方法から好みが分かれるため、古くから経済的にも大きな注目を受けているのだった。
そんなコーヒーにハマっている僕は、雑学こそ浅いが飲んだコーヒーの種類はそれなりに自慢できるほどではあった。それをどれだけ、伝えられたかは分からないがそれなりには彼女達の関心を得ていたようだった。

しかし、彼女のだけは違ったようだった。
僕の名前を聞くと目線を反らし、少し考えた後でその大きな目で僕を見直してきた。特に不思議なことではないが、彼女の視線を追うようになっていた僕には至極気になる事だった。

自己紹介が終わると、まるで結婚式の馴れ初めを話すかのように山本から僕らの話をしてくれていた。彼がこんなにも熱心に働いている姿を見たことがなかった。それくらいに彼は、よく働いていた。小さなネタでも大げさなくらいに盛り上げ、大きなことは事件でもあったかのように声をひそめて話していた。話し手としての経験は頼りがいがある程だった。

山本の働きの甲斐があり、時間があっという間に過ぎていった。
終電までは時間があるが、仕事の時間を見極めるように話を打ち切るとそれぞれ帰路に向かい別れを告げた。山本の今日の働きぶりが明日以降、彼の仕事評価につながることはないが、今日の彼の働きは彼の積み重ねてきたの一つとしてまた積み上がったことには違いなかった。

空は晴天だった。月ははっきりとその姿を現し、ネオンに栄える街をあざ笑うかのように僕達を照らしてくれていた。帰りの路線が違う僕は、来た道を帰る山本達と別れ、人波の流されるかのように大江戸線の改札に流されていった。
春にしては冷え込む空気が、顔に当たる風を煩わしく感じさせ、歩く歩幅を広げると後ろから僕を呼ぶ声が聞こえた。始め僕が呼ばれているのか分からなかった。確かに僕の名前を呼んではいたが、その呼び方で呼ばれていたのはもう何年も前で中学生の頃だっただろうか。

驚きを隠せきれずに振り返るとそこにいたのは、村上麻衣だった。
なぜ彼女がそこにいたのだろうか。いや、彼女がそこにいたのはいいとして、さっき僕を呼んだのは彼女だったのだろうか。それを確かめるように僕は、彼女に話かけた。

「いま、何て呼んだ?」

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